
積載率を上げても物流コストが下がらない理由
物流改善の代表的な指標として、積載率があります。
車両にどれだけ積めているかを把握することは重要です。積載率が低ければ、車両台数が増え、物流コストも上がりやすくなります。
しかし、積載率を上げれば必ず物流コストが下がるわけではありません。
なぜなら、物流コストは積載率だけで決まらないからです。
たとえば、車両には満載に近い荷物が積まれていても、配送先が分散していれば走行距離は長くなります。納品時間指定が細かければ、配車効率は下がります。荷卸し時間や待機時間が長ければ、車両の回転率は悪くなります。重量が重い貨物であれば、スペースが空いていても重量上限に達することがあります。
つまり、積載率は重要な指標ですが、万能ではありません。
特にパレット輸送では、床面積だけではなく重量も見る必要があります。たとえば、パレット枚数としては積めるように見えても、1パレットあたりの重量が重ければ、車両の最大積載量に先に達することがあります。
また、車格や車両仕様も重要です。4t車でも標準ロングとワイドでは、パレット積載枚数が大きく異なります。車格名だけで判断すると、実際の積載効率を見誤る可能性があります。
物流改善で見るべきなのは、積載率だけではありません。パレット数、重量、容積、配送件数、距離、荷待ち、荷役時間、車両回転率を組み合わせて見る必要があります。
ロジエンスでは、車両キャパシティを床面積だけで判断せず、パレット枚数と総重量の二重判定で積載効率を確認します。そのうえで、推奨車格、配送頻度、集約可能性、台数削減余地を整理します。
積載率を上げることは目的ではありません。目的は、物流コストを下げ、安定した輸配送体制を作ることです。
そのためには、積載率を単独で見るのではなく、物流全体の制約条件と合わせて判断する必要があります。