コラム

共同配送というと、「複数企業の荷物をまとめて運び、運賃を下げる取り組み」というイメージを持たれがちです。

しかし、共同配送の本当の価値は、単なるコスト削減ではありません。

重要なのは、配送ルートの重複排除、配送頻度の再設計、車両の共同利用、サービスレベルのすり合わせなどを通じて、安定した供給能力そのものを再構築することです。

共同配送を「運賃削減策」ではなく、「供給モデルの再設計」として捉えることが重要になります。


共同配送の検討では、「運賃をどれだけ下げられるか」という議論が中心になりがちです。

もちろんコスト削減も重要ですが、それだけを目的として荷物を寄せ集めると、一時的に運賃を抑えられても、パートナー企業間の調整コストが増加したり、サービスレベルにズレが生じたりする可能性があります。

その結果、現場の負担が増え、共同配送そのものを継続できなくなるケースも考えられます。

共同配送では、目先の運賃単価だけを見るのではなく、中長期的に持続可能な物流体制を構築できるかという視点が欠かせません。


共同配送では、複数企業がそれぞれ行っている物流を整理し、より効率的な供給モデルへと再設計していきます。

具体的には、配送ルートの重複をなくすだけでなく、配送頻度や納品条件を見直し、車両を共同利用することで積載効率を高めていきます。

こうした取り組みによって、単なる運賃削減にとどまらず、物流全体の生産性向上と安定した供給体制の構築につなげることができます。


トラックドライバー不足が深刻化する中、自社運用だけに依存する物流体制には限界があります。

共同配送によって複数企業の物流を組み合わせれば、供給リスクを分散しながら、ピーク需要への対応力や代替性を高めることができます。これはBCP(事業継続計画)の観点からも有効です。

さらに、積載率の向上や運行車両数の最適化は、CO₂排出量の削減にもつながります。

つまり共同配送は、積載効率・供給安定・CO₂削減を同時に実現できる可能性を持った取り組みなのです。


共同配送を継続的に機能させるためには、大きく3つの土台が必要です。

① パートナーの相性
商流や物流条件だけでなく、企業文化や物流に対する考え方まで含めて、共同配送に適した企業同士を組み合わせます。

② 公平で透明性の高いガバナンス
費用をどのように配分するのか、誰がどのように意思決定するのか、情報をどこまで共有するのかなど、あらかじめ明確なルールを設定します。

③ 現場オペレーションの設計力
集荷・幹線輸送・納品の運行設計、例外対応、KPI管理など、実際の運用まで具体的に設計します。

この3つを一体で整えることで、現場の納得感が生まれ、継続可能な共同配送へとつながります。


共同配送の成否を判断する基準は、単純な運賃の削減額だけではありません。

重要なのは、

「共同配送によって、自社の供給能力をどれだけ強くできるか」

という視点です。

物流を単なる「コストセンター」として捉えるのではなく、安定した商品供給を支える競争力の源泉として捉え直す必要があります。

複数企業がそれぞれの強みを持ち寄り、新しい供給モデルを構築することが、これからの共同配送では求められます。


共同配送は、単に荷物をまとめて運賃を下げるための施策ではありません。

配送ルートや頻度、車両利用、納品条件など、物流の仕組みそのものを見直し、**積載効率・供給安定・環境対応を同時に実現する「供給モデル再設計」**として取り組むことが重要です。

コスト削減を「目的」にするのではなく、持続可能な供給体制を構築した結果としてコスト削減を実現する。この考え方が、共同配送を成功させる重要なポイントとなります。



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