コラム

物流効率化法への対応というと、「トラックの荷待ち時間を減らすこと」をイメージする方も多いのではないでしょうか。

しかし、判断基準となるのは荷待ち時間だけではありません。

ドライバーが倉庫内で行っている検品や荷造り、棚入れ、ラベル貼りなどの作業も「荷役等時間」として扱われます。

つまり、これまで何となくドライバーに任せていた庫内作業についても、改めて把握・見直しが必要になっています。


物流効率化法への対応を考えるうえで重要なのが、「荷役等時間」という考え方です。

荷役等時間には、単純な荷積み・荷卸しだけではなく、たとえば次のような作業も含まれます。

  • 検品
  • 荷造り
  • 入出庫作業
  • 棚入れ・棚出し
  • 保管
  • 仕分け
  • 商品陳列
  • ラベル貼り
  • 代金の取立て
  • 荷役後の立会い など

つまり、ドライバーが倉庫に到着してから出発するまでの時間について、「待っている時間」だけではなく「何の作業をしているのか」まで把握することが重要です。


国が示している水準では、1運行あたりの荷待ち時間と荷役等時間を合わせて2時間以内、1回の受渡しごとには1時間以内が目安とされています。

ここで注意したいのが、自社だけを見て判断するのでは不十分だという点です。

1運行の中で複数の荷卸し先がある場合、それぞれで発生した時間が合計されます。

たとえば、自社では30分しかかかっていなかったとしても、別の荷卸し先で90分かかっていれば、合計では2時間になります。

そのため、

「うちは30分だから問題ない」

とは必ずしも言い切れません。

物流全体の流れの中で、自社で発生している時間を正しく把握する必要があります。


改善の第一歩は、現在どれくらい時間がかかっているのかを測ることです。

まずは、

到着時刻・荷役開始時刻・出発時刻

の3点を記録します。

これだけでも、「荷待ち」と「荷役等時間」を分けて把握しやすくなります。

さらに、ドライバーが行っている作業を洗い出し、

「本当にドライバーが行う必要がある作業なのか」

という視点で確認していきます。

検品の立会い、棚入れ、ラベル貼りなど、これまで慣習的にドライバーへ依頼していた作業の中には、自社の庫内要員へ移せるものがあるかもしれません。


「荷待ち時間は確認しているものの、荷役等時間までは測っていない」という企業は注意が必要です。

また、

ドライバーに庫内作業を任せているものの、その範囲が曖昧になっている

2時間ルールが自社にどのように関係するのか整理できていない

作業を自社へ移そうとすると、今度は庫内の人員が増えてしまう

といった課題も考えられます。

単純にドライバーの作業を減らせばよいわけではなく、庫内側の人員配置や業務設計まで含めて見直すことが重要です。


荷役等時間の短縮を進めるためには、まず現在ドライバーが担当している作業の範囲を明確にします。

そのうえで、

誰が行うべき作業なのか
どこまでをドライバーに依頼するのか
自社へ移管した場合、庫内業務にどのような影響があるのか

まで整理していくことが必要です。

時間だけを短縮しようとするのではなく、物流現場全体の役割分担を見直すことが、持続的な改善につながります。


物流効率化法への対応では、荷待ち時間だけでなく、荷役等時間まで含めて現状を把握することが重要です。

まずは3つの時刻を記録し、荷待ちと荷役を分ける。

そして、ドライバーが行っている庫内作業を洗い出し、作業範囲や役割分担を見直していく。

改善のスタート地点は、時間を「測ること」です。


自社の物流課題を5分でチェック

「自社では人時生産性を正しく把握できているだろうか?」

「物流改善をしたいけれど、どこから手をつければいいか分からない」

そんな場合は、まず現在の物流課題を整理するところから始めてみてください。

物流コスト・生産性・管理体制など、5つの領域から自社の物流課題を確認できます。



物流改善をご検討の方へ

物流コストや配送網の見直し、4PL導入、物流DXなどでお悩みの方は、ロジエンスコンサルティングへご相談下さい。現状分析から改善施策の立案・実行まで一貫してご支援します。